2017年01月04日

1/4の日記

あけましておめでとうございます。
本年もご愛読のほど、よろしくお願いします。

さて、この年末年始は黒澤明の『デルス・ウザーラ』関係
に没頭していた。

DVDで映画を観て、そして映画の全撮影記録やらシナリオや
らを収めた小学館『黒澤明 樹海の迷宮』を読んだ。寄稿し
た池澤夏樹が「この本を未完の長篇小説として読んだ。」と
書いているけれど、まったく同感だ。

撮影日誌をつけたのは、黒澤明とずっと関わってきた野上照
代。

ハリウッド映画進出に失敗し、自殺未遂までして、再起を賭
けてのソ連映画の監督をするわけだけれど、黒澤明65歳の抱
えていたものはどれほどのものだったか、想像するのも難しい。

野上照代の撮影日誌に書かれている黒澤明の言動は、まるで
狂人のようだ。大監督巨匠黒澤明の実態はこうなのか、と知
らされて、大ショックを受けた。

書かれた文章を読むと黒澤明と日本人スタッフやソ連側のス
タッフたちとのやりとりは、むしろ漫画やコントをみるよう
でもあるのだけれど、自分をそのスタッフの立場に置いて読
んでみたら、黒澤明の行動や言葉はあまりにも酷過ぎて、
「ふざけんな、このクソ爺い!」と怒鳴ってやりたくなる。

よくこんな人と仕事していられたなあ、と思うね。特にただ
一人の女性スタッフとして黒澤明に献身的に仕えた野上女史
には賛辞を贈りたいね。黒澤明も「この人がいなかったら、
この作品は出来なかった。」と言ってるけれど、まったくだ。
この人がどれほどのクッションになったことか。野戦病院の
看護婦みたいでもある。

まるでガキ大将のような、わがままな子供のような、独裁者
のような、こんな身勝手で自分本位な人間なんかと、よくも
我慢して仕事できたよなあ、と思うね。

だけど、黒澤明は凄い映画監督なんだよな、やっぱり。凄い
作品を作り上げたんだよな。だからみんな付いて行くんだよ
な、結局。

撮影日誌を読んでいると、すっかりのめり込んでしまって、
自分もその制作現場に居るような錯覚に陥ってきて、この本
の最後の方に掲載されている全スタッフの名前を見たら、思
わず涙ぐんでしまった。

考えてみたら、黒澤明は追い詰められていて、もう後がない
ところまで来ていたんだものね。あの時65歳だったんだもの
ね。

65歳の男の凄まじい生きざま、47歳の女の仕事への責任感と
その奮闘の記録としても、この本を読む意味はある。

まったく自分は甘いと痛感する。

改めてもう一度DVDを観てみようと思っている。

きっと違った観方ができるんだと思う。



posted by ミヤマ カヨコ at 19:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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